【クトゥルフ神話×アイドルマスター】TRPGシナリオ「薄明に咲く花」
「ねぇ、最初に出逢った日、覚えてる?」
はじめに
記事に目を通していただき、ありがとうございます。らいどと申します。
こちらは、五月の初めにサークル内で行ったTRPGオンラインセッションにて使用したシナリオをまとめたものになっております(リプレイではありません)。
”TRPG”とは、一言で言ってしまえば、自分達で作成した人物を用意された物語の中で実際に動かしていき、その物語を完成させる遊びです。
参加してくださった方々からは良い評価をしていただき、大変うれしく思います。
このシナリオはアイドルマスターの要素をふんだんに盛り込んだシナリオとなっています。
初めての方でも同じようにゲームを進行させることができるように、また、新たにプレイする際の改変がしやすいようにまとめたつもりですので、興味を持っていただけましたら是非プレイしてみてください。
プレイのお手伝いをさせていただきます。
(プレイヤーとしてやってみたい!と思ってくださった方は一旦このブログを閉じて、Twitterを開いて”設定を見ずに”ご連絡ください。一応「シナリオ概要」まではネタバレ無しで読むことができます)
また、質問も受け付けておりますので、お気軽に作成者までお問い合わせください。
改変等は自由ですが、一報いただけると作成者が泣いて喜びます。
シナリオ概要
タイトル:薄明に咲く花
シナリオ作成者:らいど(Twitter:@ride_ride_ridea)
推奨技能:目星、聞き耳
人数:2人~
時間:オンセで8時間程度かかりました(シナリオ量はいくらでも調整できるため、時間調節は容易です)。
*作成者がシナリオ作成にあまり慣れていないため、技能ロールの使い方等に多少の違和感があるかもしれません。その辺はご了承ください。
ギミック自体は簡単ですし、シナリオも一本道のため、TRPG初心者の入門用として最適かと思います。逆に慣れている人にとっては、簡単すぎてもっと先まで考えようとしてしまうかもしれません。
実際のところアイドルイベントは本筋と全く関係がないので、いくらでも省略可能ですしいくらでも拡張可能です。ぜひご自分の好きなアイドルを追加してみてください。
目次
これ以降の記述にはネタバレが含まれます!
実際にプレイされたい方は、ここでブラウザバック推奨です。
このシナリオについて
「この世界のアイドルは、一人を除き全て偽物」
このシナリオは、「クトゥルフ神話TRPG+アイドルマスター設定クイズ」がコンセプト。何故か偽物のアイドルが存在する世界に迷い込んでしまったプレイヤーたち。そしてプレイヤーたちがシナリオを進行させるためには、その”偽物が存在する事実”に気付く必要がある。
迷い込んだ世界は、「本当の自分とは何か」で揺れる”とあるアイドル”の精神が影響して生まれている。
プレイヤーたちはそのアイドルに、このシナリオのテーマとなる「他人から本物や偽物と判断される自身の側面も、自分から見ればどちらも本当の自分自身」ということを気付かせることができるだろうか?
プレイヤーたちはそのアイドルに、このシナリオのテーマとなる「他人から本物や偽物と判断される自身の側面も、自分から見ればどちらも本当の自分自身」ということを気付かせることができるだろうか?
登場人物設定
プレイヤー
迷い込んだ不思議な世界で実際に動いて話すアイドルを目撃することとなる。
黒のシャツ、背中にはSTAFFの文字。
胸の心臓のあたりには青黒い斑点が、腕には赤い線が出現している。
気が付いた時にはSAN値チェックを行う。
一応全員長袖のシャツを着ている。さりげなく途中で描写するのが良いかもしれない。
アイドル
皆どこか私たちの知るアイドルとは違うところがある。
以下にその偽の設定を示す。
偽の設定 | 目星 | |
AS | ||
如月 千早 | 歌に対する信念がいまだに強いが、精神面では成長している。 | |
天海 春香 | 滅多にこけないし、こけた時に怪我をする。 | 絆創膏をしている。 |
四条 貴音 | 視力良好。横文字がひらがなにならない。 | |
我那覇 響 | 動物に興味がない。 | ペットが周りに一匹もいない。 |
双海 亜美、真美 | 二人の設定が反転。 | 容姿が逆。 |
詩花(劇中では”シキ”) | 口にするドイツ語が、アニメ「戦記絶唱シンフォギア」で使用されている架空言語になっている。 | |
ミリオンライブ | ||
北上 麗花 | 身内以外に多大な迷惑をかける。 | |
望月 杏奈 | オンオフの切り替えに気合を入れるなどのワンアクションが必要。 | |
高坂 海美 | 異様なほど筋肉の話をする。 | |
松田 亜利沙 | この世界の違和感(アイドルの相違点)に気が付いていない。 | |
箱崎 星梨花 | 教養十分のはずなのに短歌と俳句を間違える。感覚が庶民的。 | |
徳川 まつり | マシュマロ大好き。 | |
シンデレラガールズ | ||
長富蓮実 | 本物の長富蓮実。生み出された偽物にも差異は特にない。 | |
多田 李衣菜 | 音楽に異様に詳しい。 | |
前川 みく | 李衣菜と言い合いをしない。すぐ自分から折れる(魚が好き)。 | |
松尾 千鶴 | 異様にネガティブ(初期のころのまま成長していない)。 | |
岡崎 泰葉 | 異様にネガティブ(初期のころのまま成長していない)。 | |
相葉 夕美 | 花の香りが分からない。 | |
西園寺 琴歌 | お嬢様言葉を使わない。 | |
白雪 千夜 | プロデューサーのことを”プロデューサー”と呼ぶ。 | |
黒埼 ちとせ | プロデューサーのことを”魔法使いさん”ではなく”魔術師さん”と呼ぶ。 | |
シャイニーカラーズ | ||
三峰 結華 | 入室してくるスタッフに気が付かない。 | |
幽谷 霧子 | ふふふ、わわわ。なんでもかんでも”さん”をつけて呼ぶ。 | |
月岡 恋鐘 | 長崎弁がガバガバ(長崎弁の推敲をせずにカンで書きました)。 | |
白瀬 咲耶 | キザな発言が過剰なまでに多い。 | |
田中 摩美々 | いたずらが過剰すぎる。 | |
福丸 小糸 | 人見知りとドモリがない。 | |
浅倉 透 | 一度見た人の顔と名前が一致する。 | |
市川 雛菜 | 樋口がガチで嫌い。 | |
樋口 円香 | プレイヤーたちへの対応がゲーム上のPへの対応と同じように辛辣。 | |
SideM | ||
ピエール | SPが周りにいない。 | SPがいない。 |
鷹城 恭二 | みのりに対して敬語を使わない。 | |
渡辺 みのり | アイドルのことが分からない。アイドルに興味がない。 | |
兜 大吾 | プロデューサーのことを”ボス”と呼ばず、”プロデューサー”と呼ぶ。 | |
九十九 一希 | 寡黙な話し方ではない。 | |
秋月 涼 | 蓮実と同じく偽物についての葛藤を抱えていたため、偽物ではあるが差異が生じていない。 |
坂神
ステータス設定なし
役職:総合ディレクター
いつもオレンジ色の服を着ている。頬に刻まれた皺がそこはかとなく苦労を感じさせる。巨人ファン。
淳悟
STR/65 CON/40 POW/30 DEX/60 APP/55 SIZ/50 INT/65 EDU/50 HP/9 MP/6 LU/55
役職:構成担当
常に帽子と半ズボンを身に纏う男。テンプレなギョーカイジン的ノリでアイドルやスタッフに接する。
鷹山
STR/55 CON/35 POW/60 DEX/70 APP/60 SIZ/75 INT/85 EDU/65 HP/11 MP/12 LU/55
役職:演出担当
丸メガネと濃いヒゲが印象的な男。実は若手ながら幹部スタッフに入り込んだやり手らしい。
一般スタッフ
ステータス設定なし
世界観
今回の舞台
坂神の手によって作られた蓮実の深層心理の悩みを反映した世界。
時間は動いておらず、ずっと同じ一日が繰り返されている。
日付の設定もあいまいで、今日の日付は確認できない。
基本的にスタッフは坂神の従者であり、アイドルはこの世界の作り出した偽物である。
世界が創られる際、従者はその世界で役割を与えられたNPCのような存在となる。
その結果、世界が作られる際のもととなった蓮実の深層心理を受け、本人とは少し違うアイドル達が生まれ、蓮実をよく思っていないスタッフたちなどが誕生した。
プレイヤーたちがゲームの中の世界だと思っている世界だが、実際に存在している。
この世界のプロデューサーとプレイヤーたちは別物ではあるが、確かにアイドル達とゲーム内で過ごした日々は存在しているし、アイドル達を思う心もまた、アイドル達にちゃんと届いている。
背景
*独自解釈、独自設定を大量に含んでいます。大目に見てください。
長富 蓮実
「世間の思う『長富蓮実』とは、『あのアイドルを模した存在』であるのではないか。そうなればそれはただの模造品であり、私自身を見てくれている人は誰もいないのではないか」という自身のアイドルとして、さらには自身の存在の在り方についての葛藤を抱えており、最近は毎晩悪夢にうなされるようになっていた。
ファンからは認められているが業界からは色者扱いを受けている自覚も多少はあり、そのことに対する葛藤でも悩んでいる。
ファンからは認められているが業界からは色者扱いを受けている自覚も多少はあり、そのことに対する葛藤でも悩んでいる。
グラーキ
”夢引き”を行い、自身の従者となるアンデットを増やす行為を行う。
夢引きの効力下に置かれたものは催眠状態となり、グラーキの待つどことも分からない沼地へと呼び寄せられる。
この時夢を介し、グラーキは自らが存在する異世界へと犠牲者を招き入れることとなる。
グラーキは呼び出した犠牲者に対し、自らの棘を突き刺し、特殊な液体を注入する。棘からは突起が伸び始め犠牲者の体を侵食し、完全なアンデットとしてグラーキの意思のままに動く従者となってしまう。
グラーキによる棘の攻撃で対象者が死亡しなかった場合、アンデットにはなってしまうがグラーキの従者となることはない。
坂神
グラーキの支配から逃れ、その力の一端を手にした男。
グラーキの被害にあう前は、プレイヤーと同じ世界の住民であり、長富蓮実担当プロデューサーとしてコンテンツとしてのアイドルマスターを楽しんでいた。
支配からは逃れたものの、グラーキの力に心酔した彼は手あたり次第自身の従者を増やしていくが、偶然自身が昔愛していたアイドルマスターの世界に通じ、そこで自我を持って生きる長富蓮実を見ることとなる。
当然のように蓮実を従者にしようと夢引きを行ったが、そこで彼女の内に秘めた葛藤を目撃。以前のプロデューサーとしての心を取り戻した坂神は、何とかその心の闇を取り払ってあげられないかと考えるが全くうまくいかず、蓮実の心から生まれた偽物のアイドルが歌い続ける世界で途方に暮れていた。
プレイヤーたちが選ばれた理由はただ単純に、自分と同じ世界の「アイマスP」だから。条件さえ合えば誰でも良かった。
自分以外のプロデューサーの力を借りることで蓮実の闇を払拭しようとしているが、役に立たなければ自身の従者にしてしまおうと考えている。
スタッフ
坂神の従者。この世界における舞台装置の役割を担う。
アンデットであるため何度殺したとしても復活する。
体中に赤い線が刻まれており、自身の体にあるその線の存在に気が付くとドロドロに溶けて消えてしまう(これを見た場合 SANc:1/1d3)。
スタッフが溶けたことに関して、周りのスタッフやアイドル達は認識することができない。
基本的にスタッフは長袖のシャツを着ているため、赤い線はプレイヤーたちが指摘しないと視認できない。
長袖を着ているという描写も、聞かれるまで答えなくてもいいかもしれない。
「淳悟」および「鷹山」は坂神が頑張って作った従者。そのためほかのスタッフよりも行動の自由度が高い。
アイドル
偽物であることを恐れる蓮実の心が作り出した世界に生まれた、私たちの知るアイドルとは少し違うアイドル。
スタッフと違い、坂神の従者ではないので体に赤い線は見当たらない。
後述するが、この世界には彼女たちのプロデューサーは存在していないため、彼女らの中にあるプロデューサーとの思い出は偽りの記憶である。
プロデューサーについてプレイヤーたちが尋ねると、次第に記憶と記憶の間にズレが生じ、ひどい頭痛に襲われる。
頭痛で苦しみだし、返答もままならなくなったアイドルに対し、まだプロデューサーについての質問を続けられた場合、そのアイドルは発狂してしまう。
プロデューサー
この世界には存在しない。
坂神や、プレイヤーたちが実質この偽物の世界における「偽物のプロデューサー」の役割を担っているといってもいいのかもしれない。
素材(地図など)を参照。
注意事項
・シナリオ上でアイドルのセリフは設定してありますが、話の流れによってはすべて変更する必要があります。
参加者に神経質なPの方がいる場合、話し方や呼称等事前に調べておくことをお勧めします。
・クトゥルフ神話TRPGの皮を被ったアイマス設定クイズ大会のようなものではありますが、細かすぎる設定が多いだけでなく、そういう二次創作なのかな? ?と自身の中で解釈されてしまうことが多いと思います。 ラストに臨む答えを得られるまで、頑張りましょう。
進行中の描写に関して
・原則、スタッフやアイドルへの異世界云々の発言は信じてもらえず、長富蓮実が倒れたことに対するリアクションはその場に居合わせた春香と千早以外薄いものとして進行してください。
・プレイヤーは、この世界においてはプロデューサーではないと考えてもらえるのが一番理想です。
・ステージ裏での技能ロール成功による描写を基本的に設定していないので、なにか描写し忘れたものがあった場合は活用してください。
・時間や日付の概念は存在していません。聞かれた場合は、元の世界の日付は今日(プレイしている日付)と同じと返答し、それ以降は濁しておいてください。
シナリオ本編
*:指示文
導入 ~アイマスの世界へようこそ~
あなたたちは程度こそ違えど、アイドルマスターというコンテンツを愛する「プロデューサー」の一人。
今日もいつもと変わらぬ日常を各々過ごしている。
ゲームを初めていくらか時間が経った時、あなたたちは突然の胸痛と眩暈に襲われ意識を失ってしまう。
・・・・・・
どれほど時間が経ったのかは分からないが、
あなたたちは心地よい風を感じて意識を取り戻す。
目を開けると、そこにはあなたたちが全く知らないが、どこか見覚えのある景色が広がっていた。
身につけていたものはすべてなくなり、代わりに全員同じ服を着ているようだ。
目の前には見知らぬ建物が。
全員なにやら別の世界に飛ばされてしまったことを察し、通常では考えられない現象に巻き込まれた事実に恐怖を覚える。
*SANc:0/1d3
あたりを見渡すと、何やら屋台を作っていたりステージを組み立てたりしている光景が目に入る。
自分たちの情報:「STAFF」とかかれたTシャツを全員来ている。その他、身につけているものはない。
建物に目星:成功
★目の前の建物に「music JAM」と書かれたチラシが張られている。
聞き耳:成功
★「リハーサル開始まであと〇〇分です」といったスタッフの話し声が聞こえる。
その場から移動しようとした時、
???「スタッフのみなさん、おはようございます!」
あなたたちは後ろから声を掛けられる。
春香「天海春香です。今日はよろしくお願いします!」
あなたたちはいつも画面越しに見ていた「天海春香」本人が目の目で実際に動き、話し、自分たちに語り掛けてくるという絶対にありえない現象に直面する。
*PLの反応によってはSANc:1/1d3
*特に会話がなければ以下を描写。
春香は事務所に入ろうとするも、直前で話し掛けてくる。
春香「あれ?皆さんどうかしたんですか?」
春香「そのお洋服を着ているってことは、今日のリハのお手伝いをしてくれるスタッフさん達ですよね?」
春香「事務所に今日の仕事の割り当てが書いてある紙があると思うので、一緒に見に行きましょうか。」
あなたたちは突如目の前に現れた”本物”の天海春香と共に事務所へと入っていった。
【場面転換:→事務所:スタッフ控室】
メインシナリオ1 ~りあむ、炎上~
春香と共にスタッフ控室に入ったあなたたちは、スタッフと言い争いをしている女の子の声を耳にする。
???「淳悟さん、私にあんな服をきてあんな曲を歌えなんてどういうつもりなんですか。何度も言っていますが、私はこんなことをするためにアイドルになったわけではありません。」
淳悟「そんなこと言われてもねぇ、千早ちゃん。決めたものは変えられないんだよ。君のプロデューサーも承諾してる。君もプロなら、与えられた仕事を完璧にこなすべきなんじゃないのかい?」
千早「それでも、納得いきません……!」
春香が声を掛けに行く。
春香「(みなさん、ごめんなさいねっ) 千早ちゃん、どうしたの?」
千早「おはよう春香。ごめんなさい、いくら他の事務所のアイドルの曲を歌うコーナーだからって、私がこの曲を歌うということに納得がいかないの。」
春香「でもね、千早ちゃん。私、この「OTAHENアンセム」って曲、いい曲だと思うけどなぁ。そうだ!淳悟さん、この曲私と千早ちゃんの二人で歌うことってできませんか?二人で歌った方が楽しいかなって。」
淳悟「それはありだな、どうだい千早ちゃん?」
千早「……春香がそう言うなら仕方ないわね。分かりました、気は進みませんが精一杯歌わせていただきます。」
淳悟「ありがとう、千早ちゃん。」
春香がこちらに戻ってくる。
春香「多分そこのボードにいろいろ書いてあると思います!今日は一日よろしくお願いしますね!」
散策(ボードで自分たちの役割を確認するまで)
・ボード
会場地図:会場地図を渡す。
シフト表:自分たちの名前がない(確認すると春香が話しかけてくる)。
その他の情報は「 事務所イベント:スタッフ控室」を参照。
*ボードに名前がないことをプレイヤーが確認し次第、以下の会話を描写。
春香「あれ、みなさんの名前書いてないみたいですよ、淳悟さ~ん!」
淳悟「どうした?スタッフさんたち、何か不備でもあったかい?」
*会話:ステージ裏に連れていく
~最後の締めの例~
*異世界転生を伝えても笑い話にされる。
淳悟「よくあるんだよね~。それじゃあ君たちはまずメインステージの手伝いをしてもらって、そのあといろいろ回って設営の手伝いをしてもらおうかな。」
春香「私もステージに用事があるので一緒に行きましょう!千早ちゃんも行こ?」
千早「そうね、私も春香についていくわ。」
【場面転換:→メインステージ裏】
一人の少女が歌っている。どこかで聞いたことのあるメロディーに乗せて、かわいらしい歌声が聞こえてくる。
春香「蓮実ちゃん、かわいいよね。」
千早「そうね。透き通るような歌声、素敵だわ。」
歌い終わった少女がステージ裏へ戻ってくる。
蓮実「春香さん、千早さん、お疲れ様です。こちらのスタッフさんたちは……」
蓮実がプレイヤーたちの方を向いて、首をかしげている。
*会話:事情説明
・話してほしい情報1:スタッフだけど仕事がない
春香「今日からお手伝いをしてくれるスタッフさん達なんだけど、なんだか今日の仕事の割り当てがなかったみたいで……」
蓮実「あら、そうなんですか!」
・話してほしい情報2:気が付いたらこの世界にいた
春香「スタッフさん達、初めてで事務所の場所が分からなかったのか、違う世界から来たーって言ってきたんだよ、面白いなぁ。」
蓮実「……違う……世界......それは大変でしたね……」
*蓮実のみ異世界から来たことを信用している風に描写。その他アイドルからは冗談半分に聞き流される。
~最後の締めの例~
春香「それじゃあリハーサル行ってくるね!行こう千早ちゃん!」
千早「そうね、私たちのOTAHENアンセム、見せてあげましょう。」
蓮実「それじゃあ私は……スタッフさん達ってこれからどうするんですか?」
*プレイヤーたちを、他のステージの準備を手伝うように誘導する。その際、蓮実を同行させる。
~いろんな場所のお手伝いという返答があった場合の返答例~
蓮実「私も着いて行きます!皆さんのお手伝いがしたいので!」
【場面転換:→自由行動フェイズ1(サブステージ1、2へ誘導する)】
フェイズ1(導入~メインシナリオ2)
同行者:前半 春香 、後半 蓮実
アイドルイベント
*ステージでのイベントは基本的にメインステージの描写を入れた後、裏に回るといった流れで進行する。
メインステージ
表:春香、千早
裏:なし
*このフェイズでメインステージに来ても何も起こらない。
目星:成功
★机や扇風機、飲み物などが置いてある。
目星:ハード以上成功
★白い傘に目を引かれた。特に変わったところのない普通の傘のように見えるが、何故か強く輝いて見えた。
サブステージ1
表:*(李衣菜、みく)
プレイヤーたちはステージ裏へ向かう際、舞台上でスタッフが楽器の調整をしているのを目にする。
女の子が二人、ステージ上でスタッフと話をしているようだ。
*ここで聞き耳を要求してもよい。
李衣菜「スタッフさん!準備何か手伝うことありますか?」
スタッフ(女)「李衣菜ちゃん、いつも機材のこととかありがとうね。また何か困ったことがあったら力借りるわね。」
李衣菜「任せてくださいっ!」
みく「李衣菜ちゃん、また準備してるスタッフさんに話しかけて...迷惑掛けちゃだめだよ?」
李衣菜「まーたみくちゃんは私のお母さんみたいなことを……」
みく「お母さんって...まあいいにゃ。邪魔してないならそれでいいにゃ。」
スタッフ「準備できましたー!リハーサル開始しまーす!」
みく「李衣菜ちゃんいくよ。」
李衣菜「よーし、ロックにいくよ!」
みく「はいはい、ロックにゃロックにゃ。」
二人の歌唱が始まった。
【場面転換:→サブステージ1裏】
裏:小糸、透
ステージ上には人影がない。
ステージ裏から慌ただしい声が聞こえてくる。
スタッフ1「次北上さんスタンバイお願いしまーす……あれ?北上さん?」
スタッフ2「参ったな……ついさっきまでいたのに、どこに行っちゃったんだ?」
スタッフ3「まあ、お手洗いか何かだろう。しばらくしたら戻ってくるだろうさ。」
透「ふふっ。スタッフさんたち、バタバタしてる。」
小糸「ホントだね、どうしたんだろう……。あれ、あなたたちは大丈夫なんですか?」
慌てるスタッフを見つめていた二人の女の子に声をかけられる。
目星:成功
★机や扇風機、飲み物などが置いてある。
何か探していたりすると、スタッフに「用具室の鍵を探して坂神さんに返しておいてくれ」と頼まれる。
サブステージ2
表:杏奈
サブステージ2に近づいた時、
スタッフ「次望月さん、よろしくお願いしまーす。」
という呼び声が聞こえてくる。
*本会話
杏奈「よろしく......お願い......します......」
頬を叩いて気合を入れ、杏奈の歌唱が始まった。
聞き耳:ハード以上成功
★「......よし!」という声を発している描写を付け加える。
杏奈「イエーイ!皆さん今日はよろしくお願いします!張り切っていっくよー!!」
杏奈の歌唱が始まった。
【場面転換:→サブステージ2裏】
裏:結華、恋鐘、霧子
女の子が三人談笑している。
入口からは少し離れているので会話の内容は聞こえない。
聞き耳:成功
★会話描写
恋鐘「咲耶と摩美々はまだこんとね?待ちくたびれたばい。」
結華「こがたん、まだ時間あるからゆっくり待ってよう?」
霧子「ふふふ......恋鐘ちゃんはいつも元気だね......」
*本会話
恋鐘「あれ?見かけない顔ばい。新しいスタッフさんと?」
結華「あ、ほんとだ。気付かなかった。」
霧子「わわわ......!お、お願いします......!」
目星:成功
★机や扇風機、飲み物などが置いてある。
カギを探すための技能ロール:成功
★カギを発見できる。
*鍵云々の話は省略可。
メインシナリオ2 ~睡蓮花~
シナリオ開始条件:サブステージ1、2のイベントを消化後、メインステージへ帰還
*サブステージ二つの手伝いを経て、メインステージへ戻ってきた際、蓮実がいきなり頭を押さえて倒れこむ描写を入れる。
*このとき、周りにスタッフは自分たち以外いないようで、誰も助けに来ない。
*蓮実やスタッフを利用してプレイヤーをメインステージへ向かわせる必要がある。
*プレイヤーたちが別々に行動をしていた場合は、スタッフなどを利用して全員をメインステージへ集合させることができると望ましい。
メインステージでは丁度千早と春香のリハが終わったようだった。
リハの終わった二人に声を掛けられ、蓮実はステージの方へと駆け出していく。
・・・・・・
突然蓮実はその場で立ち止まり、そのままバタリと倒れこんでしまった。
*助けに行かないようなら、千早に「助けに行きましょう」と声をかけさせる。
*事務所内の救護室に連れていくよう会話の流れを調整する。
~会話例~
千早「春香、私は自分の番が来るまでこの子を看病しているわ。この子のプロデューサーに連絡してもらってもいいかしら。」
春香「千早ちゃん、だめだよ。電話がつながらないよ。」
千早「それは仕方がないわね、とりあえず一緒に事務所に戻りましょう。次は確か秋月さん達だから、ついでに声を掛けてくるわ。」
【場面転換:→事務所:救護室】
千早「長富さんのことは他のスタッフにも伝えておくわ。あなたたちは引き続き準備の方をお願いします。」
【場面転換:→自由行動フェイズ2(救護室を出る際に以下のイベントを挟む)】
○詩花同行イベント
???「あっ、すみませーん!スタッフの方ですか?」
目の前から、あなたたちを呼ぶ女性の声がする。
???「私、アルバイトでここの部署に配属されたはいいんですけど、全然仕事の指示が来なくって……」
そう話す彼女は黒いキャップと黒いサングラスを身に纏い、STAFFと書かれたシャツを着ている。キャップからは淡いライトグリーンの髪が流されており、スタッフと言うには少々派手かもしれない。
スタッフに目星:成功
★Tシャツのサイズがあってないように見える。
???「あなたは見回りのスタッフさんですよね?私は今の所何もすることが無いので……見回りに付いて行ってもいいですか?」
*会話:意地でも同行を承諾させる
???「ありがとうございます♪Emustolronzen♪」
???「あ、私のことはシキって呼んでくれて構いません♪」
*同行開始
*プレイヤーが望むなら都度会話させ、正体が詩花であることを段階的にバラしていく
~会話例~
シキ「みなさんは、アイドルが好きなんですか?」
シキ「私は、このアルバイトなら色んなアイドルの方を見ることができるかな、って思ったので……」
シキ「え、どうしてライブに行かないのか、って?」
シキ「それは……ふふっ。」
シキ「このサングラスですか?えーっと、ちょっと目が弱いので……」
シキ「べ、別に変装とか、そういうのじゃありませんよ?!」
シキ「うーん、やっぱりちょっとシャツのサイズが大きくて動きにくい……別のサイズにするべきだったな……」
シキ「へ?いや、なんでもありませんよ?」
フェイズ2(メインシナリオ3)
同行者:シキ
アイドルイベント
サブステージ1
表:麗花
ステージ上ではスタッフが先ほど以上にバタバタしている。
スタッフ1「やばい!北上さん本当に見つからないぞ!」
スタッフ2「手ぇ空いてるやつは全員捜索に回れ!それと担当Pに連絡!」
*このイベント後、周囲に目星で屋根の上に麗花発見。
【場面転換:→サブステージ1裏】
裏:小糸、透
裏に回ると、あなたたちは声を掛けられる。
*本会話
透「あ、○○(プレイヤー)さんに、〇〇さん。それと……○○さん。さっきぶり。」
小糸「ぴゃ……!?透ちゃん、さっき会ったスタッフさんのお顔も覚えてるんだね……」
透「ふふっ、得意だから。人の顔覚えるの。」
目星:成功
★机や扇風機、飲み物などが置いてある。
サブステージ2
表:アンティーカ
ステージ上ではアンティーカの5人が真剣な表情でリハーサルを行っている。
話しかけることができる様子ではない。
【場面転換:→サブステージ2裏】
裏:泰葉、千鶴
あなたたちは裏に回ると、二人の女の子が会話している姿を目にした。
距離が離れており、内容までは聞き取れない。
聞き耳:成功
★会話描写
松尾「......どうしよう、うまく笑えるか不安になってきた......」
泰葉「ちょっと、ここでそんなこと言わないで。こっちまで不安になるでしょう?」
松尾「あなたは随分と余裕なようだけど?」
泰葉「......別に。私はただ、自分のやることをやるだけ。……それが私の、役割だから。」
*本会話
重苦しい空気が流れている。
松尾「スタッフさんですか?何かありましたか?」
泰葉「こちらは、特に変わりは無いですけど?」
目星:成功
★机や扇風機、飲み物などが置いてある。
*フェイズ2で別の場所へ移動する際、タイミングを見て以下のスタッフの会話を描写する(聞き耳でも可)。
スタッフ1「なあ、お前が一番推してるアイドルって誰?」
スタッフ2「オレ?うーん、小糸ちゃんかなぁ。あんたは?」
スタッフ1「俺はまつりちゃん一択。」
スタッフ2「お前蓮実ちゃんみたいな子好きそうなのにな。」
スタッフ1「いやー蓮実ちゃんはなぁ……なんか古臭いし。そもそもあの子イロモノ枠だろ?」
スタッフ2「それならまつりちゃんも十分イロモノ枠だろ……」
スタッフ1「……なんだと?」
スタッフは通り過ぎていった。
メインシナリオ3 ~自分とは~
シナリオ開始条件:サブステージ1、2のイベントを消化後、別の場所へ移動しようとする。
目的地へ向かおうと事務所の前を通りかかったとき、あなたたちを強い向かい風が襲う。
風に煽られて後ろに振り返ると、あなたたちは奥に見える事務所の屋上に、一瞬だけ人影が見えたような気がした。
遠くで人影程度しか分からないはずなのに、その人影は、中性的な雰囲気を纏った男の子であるように思えた。
*目的地到着後、即イベント開始
あなたたちは突然二人の男の子に声を掛けられる。
大吾「おお、手空きのスタッフさんかのう?今時間があったら、悪いが少し頼まれてくれんか?」
一希「申し訳ない、少々問題が起きてしまった。」
大吾「実はワシらF-LAGSのもうひとりのメンバー、秋月涼が急におらんなってしもうてなぁ。どこか心当たりはないかのう。」
一希「涼のやつ、普段ならこんなことは無いんだが」
*会話開始
*他の場所を探すように依頼する。
~会話例~
大吾「何か心当たりがあるならそこをお願いしてもいいかのう?ワシらは別の所を探してみるわ。」
*屋上に見た人影を思い出し、事務所の屋上に向かってほしい。
(向かわないならシキを使って誘導)
○事務所屋上
あなたたちが屋上に足を踏み入れると、奥の手すりの上で腕を組み、空を眺めている誰かの後姿が目に入った。
???「......スタッフさん?......ごめんなさい、こんな場所にいて。すぐに戻りますね。」
あなたたちは、二人が探していた秋月涼がそこにいるのを目にした。
*会話:大吾と一希が探している、何故こんなところに?といった話題で話を持ちかける。
涼「スタッフさんは……」
涼「……スタッフさんは、僕の―――昔の姿を知っていますか?」
*知っていると答えて欲しい。答えない場合詩花が答える。
涼「……実は、ファンの方から、『あの頃の涼さんが好きでした』という手紙が届いて……」
涼「昔の僕のファンと今の僕のファンから見た僕の姿は、どちらが本物で偽物なんだろう。」
涼「……そう考えたら、つい、自分が分からなくなってしまって。」
涼「……おかしいですよね。同じ自分なのに。」
涼「……あなたは―――僕の昔の姿と今の姿―――どちらが好きですか?」
*会話:涼の質問に答えさせる。
A:昔の姿と答える
涼「そうですか……」
シキ「……私は、今の涼さんの姿も好きです!あなたの、揺るがない強さと優しさを持ち合わせた姿が好きです!」
A:今の姿と答える
涼「やっぱり、そうですよね……」
シキ「……私は、昔の涼さんの姿も好きです!……あなたが望む姿ではなかったかもしれないけど……あの時あなたが見せていた笑顔は、嘘じゃないって思います!」
A:昔の姿も今の姿も好き、どちらの姿も否定しないで、などと答える(理想解答)
シキ「私も同じ気持ちです、どちらの姿も否定してほしくないって、思います……」
シキ「もし偽物なのだとしても、それを否定せずに受け入れてあげてほしいです……あっ、す、すいません。こんな大それたこと言っちゃって……」
*プレイヤー達の返答に合わせ、シキに発言させる。その後以下の会話を続ける。
涼「……ふふっ。ありがとうございます。」
涼「そうですよね。偽物なのだとしても、あの頃の自分も同じ自分なんだから。」
後ろから屋上に通ずるドアが開く音が聞こえ、涼を呼ぶ声がする。
大吾「……おーい涼!なんや、こないなとこにおったんか!」
一希「随分探したぞ。スタッフのみなさん、ありがとうございます。」
その声に反応して、涼が二人に駆け寄る。
涼が二人に謝っているようだ。三人で歓談している。
突然、涼がこちらに振り返り、駆け寄ってくる。
涼「今日は話を聞いてくれて、ありがとうございました。……まだ答えは出ないけど、いつの時代の僕も、自分が偽物だと思ったとしても、愛し続けられるようになりたいなって思います。」
涼「……こんな話、普段はスタッフさんたちにはしないんですけど、不思議とあなたには心を開いても良いような気がしました。」
涼「あなたからは、僕のプロデューサーさんのような香りがするし、他人とは思えない、僕自身のような雰囲気もある。……ごめんなさい、こんな話をしちゃって。お仕事頑張ってください。」
彼はそう言って、前の二人に追いつこうと振り返り駆け出した。
*聞き耳or場の雰囲気で以下の会話を描写してもよい。
大吾「涼?何を話し込んどったんじゃ?」
涼「ううん、なんでもないよ。」
大吾「なんや、プロデューサーに似て水臭いのう」
一希「今日の涼は不思議だな。だが今朝と違って、今は気概に満ちているように見える。」
三人が他愛もない会話をしながら屋上のドアに近づいていく。
最後にこちらに振り返って手を振り一瞥し、屋上を後にするのをあなたたちは見送った。
・・・・・・
突如、不穏な空気をあなたたちは感じた。
技能ロール:成功
★後ろから声がするのを聞き取る。
技能ロール:失敗
★声は聞こえるが詳細は聞き取れない。
???「……偽物が認められる?……そんな上手い話、この芸能界にあるはず無いのに。」
声がした方にあなたたちが振り返るとそこには、茶色の古めかしいボブカットをした、大人しそうな少女が佇んでいた。
―――その姿は、今この事務所で倒れているはずの長富蓮実―――その人に似ていた。
長富蓮実?「......」
あなたたちがその姿を視界に捉えるか捉えないかしないうちに、その少女は消えてしまった。
あなたたちは、微かに花の香りを感じた。
目星:成功
★花弁が落ちている。技能ロール→スイートピーであると分かる。
その他技能:成功
★その香りがスイートピーであることが分かる。
あなたたちは少しの胸騒ぎを抱きながら、屋上を後にした。
【場面転換:→自由行動フェイズ3(屋上を出る際に以下のイベントを挟む)】
○シキ離脱イベント
屋上から出て、控室の前を通りかかったとき、一人の女の子に声を掛けられる。
???「あれ、そこのスタッフさん……」
???「もしかしなくても、詩花ちゃんですよね?!?!?!?!」
シキ「へ?い、いや、人違いですけど……」
???「人違いなわけありません!ありさの目に狂いはありませんよ!」
亜利沙「この見る者を安寧の境地に浸らせる麗しいライトグリーンの髪!」
亜利沙「全身から溢れ出るお淑やかさとそれでいてお茶目さも感じられるオーラ!」
亜利沙「サングラス越しにでも伝わる銀河のような瞳の輝き!」
亜利沙「何よりその、聞く者を極楽浄土へと誘う天使の声!」
亜利沙「あなたが961プロ所属のチョ~~~スーパーアイドル、詩花ちゃんじゃなかったら誰なんですか!!」
詩花「あ、あはは……」
詩花「す、すいません!私はこれで失礼しますね~!!Gatrandis♪」
亜利沙「ああ、待ってください~~~!!」
そう言うとシキはどこにそんな脚力が、といった速さで一目散にこの場から抜け出した。
亜利沙「詩花ちゃん……なんであんな変装して、スタッフに紛れてたんでしょうか……」
亜利沙「みなさん、何か事情を知ってるんですか?」
*会話
亜利沙「……そうだ!もし良ければ、私もみなさんに付いて行っていいですか?」
亜利沙「私のリハはもう終わっちゃって、今は特にやることが無いので……」
亜利沙「スタッフのみなさんに付いて行けば、色んなアイドルちゃんと合法的に触れ合えますし……ムフフ♪」
*会話:意地でも同行を了承させる
亜利沙「ありがとうございます!ありがとうございます!」
亜利沙「私、松田亜利沙って言います!よろしくお願いしますね!」
フェイズ3(メインシナリオ4~メインシナリオ5開始)
同行者:亜利沙
アイドルイベント
*サブステージ2の裏へ移る前のいずれかの移動時に以下のイベントを描写。
あなたたちは、廊下の向こうから二人の女の子が歩いてくるのを目にする。
二人は何やら会話をしているようだが、ここからでは詳しい内容は聞き取れない。
聞き耳:成功
★会話描写
千夜「……お嬢さまは、あの男のことを本当に信用するのですか。」
ちとせ「ふふっ、相変わらず千夜ちゃんは魔術師さんに手厳しいね。」
ちとせ「……私は、あの人は千夜ちゃんにこそ必要な存在だと思ってるよ。」
千夜「......お嬢さまの仰ることは、私には時々理解できません。」
二人がこちらに気が付いたようだ。
*本会話
ちとせ「スタッフさーん?お疲れ様でーす。」
千夜「...お疲れ様です。」
*ステージでのイベントは基本的にメインステージの描写を入れた後、裏に回るといった流れで進行する。
メインステージ
表:F-LAGS
F-LAGSの三人が歌っている。その表情は、今まで画面越しで見てきたどの場面よりも輝いて見えた。
【場面転換:→メインステージ裏】
裏:海美
控室の隅でスクワットをしている女の子を見かける。
海美「あ!!スタッフさん......!!お疲れッ......!様ッ......ですッ......!!」
海美「空いた時間はねッ......!有効に使わないとねッ......!!」
スクワットをやめずに話し掛けてくる。
サブステージ1
表:ノクチル
裏に向かう際、ステージでノクチルの四人が歌っているのを確認した。声は掛けられそうにない。
【場面転換:→サブステージ1裏】
裏に回ったあなたたちは、三人の男子に声を掛けられる。
みのり「あ、見回りのスタッフさんですね。お疲れ様です。」
恭二「お疲れ様です。」
ピエール「おつかれさまー!」
松田「ふおおお!Beitの皆様!こんな美しいお顔を、間近で拝めるなんて……」
みのり「ははは、相変わらずだね、亜利沙ちゃんは……」
松田「はっ、そうだ、今ステージには誰がいらっしゃるんですか?!」
みのり「今は確か、ノクティスって名前の……誰だっけ?」
恭二「……ノクチルだよ、みのりさん。ノクチルの、浅倉さんと、福丸さん」
松田「はうあっ!今度は透ちゃんに小糸ちゃんまで……ありさは感激で涙が出そうです……」
ピエール「ありさ、もう泣いてない?」
サブステージ2
表:千鶴、泰葉
ステージ上では二人の女の子がリハの開始を待っている。
泰葉「私は人形、私は人形、私は人形……」
千鶴「笑顔、笑顔、笑顔……」
重苦しい空気が流れている。
会話はできそうにない。
【場面転換:→サブステージ2裏】
裏:VelvetRose(千夜、ちとせ)
ステージ裏では二人の女の子がリハの準備をしている。
二人はこちらに気が付かず、何やら会話をしているようだ。
聞き耳:成功
★会話描写
千夜「それにしても……あの男はこのような場所にも顔を出さないのですね。」
ちとせ「魔術師さんは、他にもお仕事があるだろうし、忙しいんだよ。」
千夜「……ここにいるのは私たちだけではないのですし、何かアクションしてくれても良いのでは?」
ちとせ「ふふっ、そんなにあの人のことが気になるの?」
千夜「……からかうような物言いはおやめください。」
*本会話
ちとせ「あら、見回りのスタッフさん?さっきもすれ違ったかな?」
千夜「……お疲れ様です。」
メインシナリオ4 ~偽りの果実~
シナリオ開始条件:メインシナリオ3消化後、救護室に入室する。
入室直後、春香が話しかけてくる。
春香「あ!みなさん、お疲れ様です!」
*会話
~会話例~
・蓮実はずっとここにいたか聞かれた場合
春香「蓮実ちゃん、一回も目を覚ましていないです。私が声を掛けても何の返事もありません……」
・蓮実を見たと伝えた場合の例
春香「見間違いとかではないんですか……?おっかしいなぁ……私と千早ちゃん、ずっとこの部屋にいたんですけどね……」
~蓮実の容態について~
・何をしても意識は戻らない
・声掛けには反応しない
医学☆心臓のあたりに青黒いあざが生じ、そこから無数の赤い線が伸びている。よほど注意深く観察しない限り服の上からは分かる傷ではない(服を脱がせたりすれば別)。
首元の肌が見えている箇所からほんの少しだけ見えている程度、見ようとしなければ気が付かない。
部屋の様子
・春香が蓮実のそばにいる
・千早の姿はない
・蓮実の寝ているベッドには特に以上はない
*ある程度の会話をした後、以下の描写を挿入する。
部屋の外から大きな声が聞こえてくる。
アイディア:成功
★千早の声だと分かる。
*プレイヤーが誰も千早の方へ向かわなかった場合、春香を向かわせる。
~会話例~
春香「千早ちゃん……?どうしたの?」
【場面転換:→事務所廊下】
千早とスタッフ二人が言い争いをしているようだ。
千早「だから撤回してください、坂神さん。それはあまりにも失礼です。」
千早「長富さんのことをただの真似事だなんて……」
坂神「如月くん、君がなんと言おうが彼女が、かの有名なアイドルをなぞった存在であることは事実だ。」
坂神「彼女はただそのアイドル像を演じているだけだ。そこに彼女本人の輝きは感じられない。」
坂神「歌に対する信念が強い君なら、彼女のやっていることがおままごとだと言われかねないと、分かると思うが?」
千早「それでも……蓮実さんはそれを自分の意思でおこなっているはずです。それにあそこまでの完成度、それをおままごとや真似事なんて言葉で片付けていいはずがありません。」
坂神「それじゃあ彼女がたどり着く先は”往年のアイドルの模造品”であり、そこに長富蓮実本人はいなくなる。それを彼女が望んでいるとでも?」
千早「それは……」
坂神があなたたちに気が付いたのか声を掛けてくる。
坂神「やあ皆さん、お疲れ様。お見苦しいところをお見せしたね。それじゃあ引き続き、よろしく頼むよ。」
坂神は事務所の外へ出ていった。
*このとき坂神を追いかけようとしたプレイヤーがいた場合、いくら見渡しても坂神の姿が見当たらないことを描写する。
【場面転換:→自由行動フェイズ3継続(移動前に一度問いかけを行う)】
メインシナリオ5 ~悲しいことがありました。~
シナリオ開始条件:
プレイヤーたちがこの世界の違和感に気が付いたと思ったら坂神を登場させる。
メインシナリオ4終了後に一度、「なにか引っ掛かることはなかったか?」と問いかけてみて反応を窺う。
プレイヤーたちの中で答えが出せそうであったら、以下のシナリオを描写する。
答えが出せそうではなかった場合、もしくは欲しい答えが得られそうでなかった場合、未消化のシナリオが起こる場所へ誘導し、以後タイミングを見計らって同じような質問を繰り返す。
*全てのアイドルイベントが終了しても答えが出せなかった場合
徳川まつりがマシュマロをおいしそうにほおばりながらプレイヤーたちの横を通り過ぎていく描写を入れる。
*それでもダメな場合
「前川みくが魚料理をおいしそうに食べている描写」のような、それは絶対におかしいだろといった描写をねじ込む。
*以下メインシナリオ5本編。
あなたたちが次の場所へ移動しようとすると、突然雨が降り始めた。
坂神「なんだい君たち。深刻な顔して。」
坂神「何かトラブルかい?」
*少し返事があるか待つ。
坂神「もしかして、何かおかしなことでもあったのかい?」
欲しい答え:「アイドルが偽物」といった旨の返し
*それ以外で以後の描写に繋がりそうである場合、アドリブで対応。
~欲しい答えが得られた場合の進行例~
坂神の表情が途端に険しくなる。
坂神「偽物?偽物と言ったね?君たちは何を以てそれを本物と定義するんだい?」
坂神「そもそも......君たちはそんなに偽物達が嫌いなのかい?」
答えようとすると、大きな声が後ろから聞こえてくる。
蓮実?「もういいんです。分かってます。偽物は所詮偽物なんです。」
蓮実?「誰も本当の私なんて知らないし興味がない。誰も私を見てくれないんです……」
蓮実?「誰も偽物なんて応援してくれないし、プロデュースしてくれない。」
蓮実?「そうですよね?」
蓮実?「”プロデューサー”さん?」
*プレイヤーの返答を待つ。
坂神「君たちが偽物と呼んだアイドルたちだって、ここでは立派なアイドルなんだ。」
坂神「自分が偽物と分かっていながら偽物と呼ばれた者の気持ち、君たちに分かるかい?」
坂神「......君たちも同じような気持ちを味わってみるといい。」
坂神が手をかざすとプレイヤーたちは突如、眩暈と吐き気に襲われる。
プレイヤーたちの意識が戻ると、目の前にはプレイヤーと同じ顔をした人影がこちらをじっと見つめていた。
*SANc:1d2/1d6
目の前にいる自分と同じ顔をした人影はその表情は分からないが、じっとこちらを見つめているということだけは、はっきりと分かった。
*戦闘に突入したと伝える。
敵NPC(自身の偽物):PL キャラよりDEXが1小さい以外はすべて同じステータスを持っている。
戦闘開始時、このNPCはプレイヤーの真正面に立っている。
攻撃行動はとらず、じっとプレイヤーのことを見つめてくる。
プレイヤーが、自分の偽物という存在を認めるといった旨のロールプレイを自身の偽物に対して行った場合、その偽物は崩れ落ち、動かなくなる。
この敵にダメージを与えるたびに胸が痛み、敵のHPが半分を切った段階で自分の腕や首筋に赤い線が現れていることに気が付く。
倒し切ってしまうと発狂し意識を失ってしまう。
1ターン(数ターン後でも可)経過後、解答を得られたプレイヤーが一人もいなかった場合、以下の会話を描写する。
*戦闘中に蓮実と坂神が会話をしている。
蓮実「坂神さん……!私、そこまでしてほしいなんてひとことも……」
坂神「君は彼らがどんな存在なのか知っているのだろう?」
蓮実「それは……」
坂神「君たちがいくら悩もうが、彼らはさらに上の次元から君たちの悩みすらも娯楽として消費するような存在だ。」
坂神「まぁそんな彼らだからこそ、君の助けになるかと思っていたんだがね。どうやら考えが甘かったみたいだ。」
蓮実「え……?」
会話はこれ以上は聞こえない。
*一人が正解を導き出した際、聞き耳ロールを行い、各プレイヤーの担当アイドルの口調で、その行動が正しいといった旨の言葉を描写する(この時発言主は描写しない)。
~会話例~
???「プロデューサーさん。それで、いいんです。」
あなたたちはそれぞれ、確かに声を耳にした。
*全敵NPCとの戦闘が終了後エンディングへ移行
以下自由行動時に起こるイベント
事務所イベント
受付(1F)
カギがかかっている。
*無理やり開けると、真っ暗な世界が広がっている。入って数歩歩いたらキャラロスト(ポケモンのなぞのばしょのイメージ、探索しようとしたら頑張って止めてください)。
ロビー(1F)
椅子がいくつか、掲示板、雑誌コーナー
掲示板に目星:成功
★この建物の見取り図、この会場の地図、今後開催されるであろうイベントの広告
★イベント告知
・2120東京オリンピック開催に際し、7/1~8/31まで施設の利用予約を中止します。(張り紙)
・夢見りあむスーパーライブ2020開催決定!
・フジロック2022出演者概要
雑誌に図書館:成功
★
「たぐいまれなる歌唱力で注目を浴びつつあるモノマネ歌手長富蓮美、次のライブではあの伝説のアイドルを?」といったタイトルの記事が目に入った。
これ以上読んでも気分が悪くなるだけだと感じたプレイヤーは雑誌を棚に戻した。
(雑誌の日付は読めない、読めないがそのことをプレイヤーたちが疑問に思うことはない)
→アイデア:成功
★疑問に思っていないことに気が付いてしまう。さらに読もうとすると頭が割れるように痛みだす。
*SANc:0/1d3
スタッフ控室(1F)
様々な機材が床に、机の上には書類がおかれている。
*スタッフは確実に一人は在室。
ボード:スタッフの振り分け、会場の地図
スタッフとの会話:プレイヤーの行動次第
机に目星:成功
★たくさんの書類がおかれている、パッと見た感じライブの資料とアイドル達の資料が多いようだ。
→ライブ資料:タイムテーブル
→アイドルの資料:適当なアイドルの情報を適当に描写。
*控室でスタッフとの会話を始めた場合、以下のイベントを挿入する。
〇鷹山イベント
???「お、スタッフさんお疲れ様!いつもありがとうね。」
スタッフ「あ!鷹山さん!おつかれさまです。」
鷹山「ああ、お疲れ様。」
鷹山「ん?今流れているこの曲、俺が昔好きだった曲■■■■だなぁ!」
スタッフ「あー僕も好きでしたねぇ……■■■■。」
プレイヤーたちは、二人の話している文字列を一部理解することはできなかったが、いま流れている曲が往年のアイドルの曲であるということは理解できた。
鷹山「そういえば、蓮実ちゃんはこの頃の曲ばかり歌ってるよね」
スタッフ「そうなんですよ……!いや、蓮実ちゃんはいい子なんですけど、蓮実ちゃん本人を見てる気がしなくてなんかむずむずするんですよね……」
鷹山「なるほどねぇ……君たちはこの曲についてどう思う?」
プレイヤーたちは曲を理解しようとすると激しい頭痛に襲われ、全容を理解することはできない。理解しようとすればするほど苦痛は酷くなっていく。
アイデア:成功 *SANc:0/1d3
アイデア:成功(ハード) *SANc:1/1d3
アイデア:成功(エクストリーム) *SANc:1/1d5
アイデア:失敗&クリティカル *SANc:なし
鷹山「君たち、大丈夫かい?」
救護室(1F)
*保健室のようなイメージ
*この場での応急手当のロールにボーナス
目星:成功
★薬が置いてある。
薬学などでロール:成功
★全てジェネリック医薬品であることが分かる。
用具室(2F)
*鍵探しイベントをやっていなかった場合は鍵が開いていたということでOK。
目星:成功
★機材やコードなど、ありきたりなものが見つかる。
散策していると何か聞こえたような気がする。
用具室の入り口で、見知らぬ人影がこちらを見ていることに気が付いた。
聞き耳:成功
★情景描写
「あなたたちは一体……」
といった声が聞こえる。
姿はなぜか確認できない。
*よほどのことがない限り、ここでは蓮実?の姿を出さない。
控室(2F)
控室(M):無し
*控室について:基本的にアイドルがいる場所では散策は不可。アイドルに咎められる。入る時もノックぐらいはしてほしいですね。
アイドルイベント
控室(AS):双海姉妹
ドアを開ける前、中から女の子の話し声が聞こえてくる。
聞き耳:成功
★会話描写
亜美「う~む、やはり今見ても色褪せない名作ですな~。」
真美「ダレガウメトタノンダ!ダレガツクッテクレトネガッタ!」
亜美「えー、なんか違うな~。」
亜美「ワタシハナゼココニイルノカ……」
亜美「こうじゃなーい?」
真美「そのセリフ、スマブラのじゃ~ん。」
*本会話
部屋入ると、双子の女の子が話しかけてきた。
亜美「あれ~、スタッフさん?何しに来たの~?」
真美「はっ!もしかして真美たち、何かやらかしたー?!」
~会話例:何をしているか尋ねる~
亜美「暇でしょーがなかったから、静かに映画鑑賞に謹んでたよん。」
真美「真美たち、コドモのカガミみたいに大人しくしてたから、なーんもしてないよ~?」
控室(ミリ):無し
*誰もいない。鍵はかかっていても空いていても可。
*部屋の散策をした場合、赤色の液体の入った透明の水筒が見つかる(海美のプロテイン、イチゴ味)。
控室(デレ):乃々、星梨花
部屋に入ろうとすると、「ホントにムリなんですけど……」という女の子の断末魔?が聞こえてきた。
部屋に入ると、机の下に引きこもる女の子と、それに声を掛ける別の女の子が目に入った。
星梨花「乃々さーん!どうして出てきてくれないんですか?」
乃々「もりくぼには……こんなたくさんの人が集まる明るい場所は不釣り合いなので……」
乃々「隅っこで静かにさせていてください......」
星梨花「大丈夫ですよ!他の事務所の方も、みーんな、優しい人でいっぱいです!」
乃々「うぅ……」
星梨花「あ!スタッフさんですね!お疲れ様です!」
乃々「ひぃ、人が、いっぱい……」
プレイヤーとの会話の途中、幸運でロール:成功
★会話描写
星梨花「あれ?何かノートが落ちてますけど、これって……?」
乃々「あ...それは森久保秘蔵の……」
星梨花「『我恋は 秋葉の杜の 下露と 消ゆとも人の しるよしもなし』」
星梨花「わぁ……これって俳句ですよね!ステキです!」
乃々「ひぃぃ……こんな大勢の前で音読なんて……」
乃々「こんなの、公開処刑です……がくっ。」
控室(シャニ):雛菜、円香
部屋の外からは話し声は聞こえない。
控室に入ると女の子二人の話声が聞こえてくる。
雛菜「はぁ……」
円香「……何?」
雛菜「え~、別に~。円香先輩には関係ないですけど~?」
円香「はぁ……見回りのスタッフさんですか?何の用ですか?」
~会話例:何をしているのか尋ねられた場合~
円香「……別に。出番までまだ時間があるので、待機していただけです。」
雛菜「雛菜、透先輩と一緒が良かったな~。」
*その後の会話はすべて円香が対応する。
誰もいない。鍵がかかっている。
物販会場イベント
グッズ販売売り場の設営が行われている。
グッズに目星:成功
★サイリウムなどのよくあるグッズの他にアイドル達を精巧に模した人形が目についた。
すべてこちらを見ているように感じ、あまりにも不気味な光景にプレイヤーたちは恐怖を感じる。
*SANc:1/1d3
*人形の大きさは40cmほど。
人形に知識ロール:成功
★よく見ると自分の知っているアイドルとどこか微妙に違っていることが分かる。
蓮実の人形のみ違和感がないとはっきり分かる。
人形は今回のライブに出演するアイドルの物のみ。
アイドルイベント
物販:琴歌、夕美
あなたたちは、二人の女の子が待機列作成用の鉄作を並べながら会話をしているのを目にする。
琴歌「今日は暑いですね……せっかく付けた香水も流れてしまいそうです。」
夕美「そういえば、いつもの香水と違う香りだね。今日は何の香水を使ってるの?」
琴歌「あら、見回りのスタッフさんですか?お疲れ様です。」
夕美「お疲れ様です。」
~会話例:何をしているか尋ねた場合~
相葉「リハーサル、私達の出番はまだ先だから、それまで会場を散歩しようかなって。」
西園寺「本番になれば、自由に会場を回るのは難しいですからね。」
物販:李衣菜、みく(フェイズ3限定)
李衣菜とみくが駆け足でこちらにやってくる。
李衣菜「あー!!みくちゃんが着替え遅かったから、準備もうほとんど終わってるじゃん!!」
みく「李衣菜ちゃんがスタッフさんと機材について話し込んでたせいじゃないのかにゃ……?まあいいにゃ、みくが悪いにゃ。」
李衣菜「あ、そこのスタッフさーん?何かみく達にお手伝いできることありませんかにゃ?」
みくたちに話しかけられる。
*今の状況が分からず他のスタッフに話しかけた場合、もう大体準備は終わった旨を伝える。
屋台イベント
目星:成功
★情景描写
いろいろな屋台の準備がなされている。
いくつかすでにスタッフが料理を作っているところもあるようだ。
たこ焼きといかめしをスタッフが作っている。
スタッフに何かしらのロール:成功
★腕まくりをしている腕に赤い線が何本も走っていることに気が付く。
*そのことを直接訪ねた場合、こちらをじっと見つめた後ドロドロに溶けはじめ、最後には消えてしまう。 *SANc:1d2/1d6
*溶けたスタッフに対しては誰も何の反応も示さない。
アイドルイベント
屋台:咲耶、摩美々(フェイズ2以外で屋台ゾーンを訪れた時に開始)
屋台:貴音、響(初めて屋台ゾーンを訪れた時に開始)
イベント開始前目星:成功
★遠くに猫が見える。
あなたたちは女の子二人が話しながらこちらに歩いてくるのを目にした。
貴音「響。あちらに見える猫はアメリカンショートヘアでは?」
響「うーん……あ、ほんとだぞ。」
貴音「こんなところにいるとは、真、珍しいことです。」
響「そんなことより、自分達早く手伝いに戻らないとだぞ。貴音、いくらみんなが色々くれるからって食べすぎだぞ。」
貴音「少々名残惜しいですが……いざ、参りましょう。」
女の子二人が準備をしながら話し込んでいるのを目にする。
*聞き耳:成功
★会話描写
咲耶「せっかく摩美々とともに素晴らしい時間を過ごせているというのに……テントを留める金具が見当たらないよ。」
摩美々「それ今関係あるー?それよりも咲耶ーこれ食べてー?」
咲耶「フフッ……摩美々がくれたものなら例え毒が入っていたとしても食べてみせるよ。」
摩美々「それは違わなーい?」
咲耶「いやいや、そんなこ……っんぐふ!?」
摩美々「ふふー、はい咲耶。これ飲んでー?」
咲耶「あ、ああ……助かるよ。さすが摩美々だ。んっ……!?」
摩美々「ふふー、咲耶油断しすぎー。あ、ちなみに金具なら私が持ってるよー。」
咲耶「や、やれやれ……困った子猫ちゃんだね……」
*プレイヤーが話し掛けてきても、摩美々はずっと咲耶にちょっかいを掛け続ける。
ゲートイベント
近づくにつれ、周りの雰囲気が異様なものに変化していく。
門そのものの情報:
見るからに異質な素材でできている。
奥は暗く視認することはできない。
石の壁が周りを取り囲んでいる。
門から外に出ようとすると全身にとてつもない恐怖を感じ、前へ足を進めることができなくなる。
*それでも何とかして前へ進み体が門を超えた場合、そのプレイヤーの目には紫の空と黒く底の見えない湖が目に入る。 *SANc:1/1d3
*湖へは近づいてはならないと本能的に分かる。
*めっちゃ止める
それでも近づいた場合、そのプレイヤーはグラーキを目撃する。
その場で帰ってくれれば(*SANc:1d6/1d20)のみ。
どの段階でも戻る意志さえ見せれば、即門の前に帰還する。
帰らなければ、グラーキと戦闘。
*ゲートから帰ろうとしたときに以下を描写
別の場所へ向かおうとしたとき、___は突然腕をつかまれる。
*プレイヤー1人をランダムダイスで決定
スタッフ?「待って......くれ......」
その男は胸を押さえ、とても苦しそうにしている。
スタッフ?「俺は......選択を......間違えた......」
スタッフ?「自分を......殺......」
言い終わらないうちに、その男は胸を押さえて動かなくなった。
技能ロール:成功
★男の体中に赤い線が刻まれていることに気が付く。
そのスタッフに触れるor技能ロール:成功
★男の体に触れると、その体は触った部分からボロボロと崩れ去り、その男がいたという痕跡はあなたたちの目の前から消えてしまった。
*SANc:1/1d3
*次の目的地へ到着時
アイデア:成功
★ふとスタッフの姿が目に入った。そのスタッフはついさっき崩れ去ったあの男そのものであるということに気が付いた。
*SANc:0/1d2
エンディング
シナリオ開始条件:全てのプレイヤーが自身の偽物を認め、戦闘が終了する。
あなたたちの目の前には、崩れ落ちて動かなくなった自分自身の姿がある。
蓮実?「......」
蓮実?「……怖かったんです。自分を偽物と誹謗されるのが。」
蓮実?「私が偽物なら、どこに"本当の自分"があるんだろうって。」
??「......ずっと陰で言われてきました。」
??「『お前はただの真似事だ』、『過去の光を模倣し続けるだけの、劣化したコピーでしかない』、と。」
気がつくと、蓮実の目の前にもう一人の人物の姿があった。
時代を感じさせる茶色のボブカットに、大人しそうな顔つき。
長富蓮実だった。
あなたたちは、微かにスイートピーの香りを感じた。
蓮実「偽物と言われるような私を否定したい。そう願ってしまったんです。」
蓮実「……おかしいですよね。」
蓮実「周りに否定された自分を、私まで否定してしまったら。」
蓮実「……一体誰が、私を肯定してくれるんでしょう?」
彼女は、ゆっくりともうひとりの"彼女"に近づき、抱きしめた。
蓮実「……ごめんなさい。あなたを―――私を否定してしまって......」
蓮実?「......」
蓮実?「ねぇ、最初に出逢った日、覚えてる?」
もう一人の蓮実は、蓮実に向かって微笑みかけ、彼女の目を見ながら呟いた。
刹那、視界が明滅する。
気がつけば夕暮れの、どこかの建物の中の光景が広がっていた。
蓮実「えぇ……忘れるはずがないわ」
蓮実「あの日があったから、今の私はここにいるんですもの」
*ここでは蓮実のスカウトコミュを想起させる。本プレイでは以下のGIFを使いました。
いつの間にか、あたりは元の光景に戻っていた。
蓮実?「......」
もう一人の蓮実の身体は、今にも消え入りそうなくらい透き通っていた。
蓮実?「......」
蓮実?「......」
そして、安らかな笑みを浮かべた後、光の中に消えていった。
いつしか自分たちの偽物も消え、目の前には蓮実と―――坂神の姿があった。
坂神「......」
坂神「直にこの世界は崩壊する。早急にここから立ち去るといい。」
坂神の目線はこの会場の出入り口を指している。
蓮実「......みなさん、行きましょう!」
蓮実「―――そして、ありがとうございました......プロデューサーさん♪」
チラッと坂神の方を向いてそうつぶやいた後、蓮実は門に向かって走り出した。
坂神は泣きそうな、しかし幸せに満ち溢れた表情をしている。
この場から一歩も動こうとする気配はない。
突如世界が割れ、いくつもの触手のようなものが出現した。
その触手は一直線に坂神を貫き、そのままあなたたちの元へと向かってくる。
*触手から逃げ、門をくぐるロールプレイをさせる、もしくは触手とのチェイスを行う。
外に出た瞬間、あなたたちの意識は薄くなっていく。
あなたたちが最後に見たのは、とても誇らしげに澄んだ目をした蓮実の笑顔だった。
蓮実「あなたたちの想うアイドルとだって......きっと......」
後日、あなたたちはゲーム内で長富蓮実の歌声を聞いた。
その時の蓮実の歌声は、今までとは違う、さらに澄んでまっすぐな歌声に思えた。